トラくんの公園デビュー

	トラくんを榴ヶ岡公園に連れて行ったのは 予防接種がおこなわれる場所に 慣れておいてもらおうと思ったから それはトラくんが我家に来て間もない頃 結果的に公園デビューとなってしまった うちの周りには区画整理の際に造られた 小さな公園はいくつかありますが 就学前の子供たちが常時集まるので トラには　大きな公園のほうが良かろう 一駅分の距離も散歩には丁度いいだろう と考え　夕方出かけることにした 夕方といっても夏の盛りなので日は高い 日差しを除ける様にして　トラくんと一緒に 初めて榴ヶ岡公園に足を踏み入れた時 別世界のような空間が広がっていた	見事な桜の頃の 榴ヶ岡公園 江戸時代から 花見の名所です
	大通りからほんの少しの距離なのに 数々の木や草たちが　外界の喧騒を浄化しているとでも言ったらいいのか しばらく忘れていた葉っぱのざわめきや　風の匂いや土の匂いを思い出した 昔　野原で真っ暗になるまで遊んだ懐かしい草の匂いだ 公園の整備を　役所に要望するのは都会人のすることだ 彼らが何を望んでいるのか一部分解ったような気がした 日常的に触れている者には　当たり前のこととしか思えないので その価値に気づかない　実は大変なものなのに 人間にもワンコにも必要なことってあるんだ　同じだねぇ　トラくん トラくんも大喜びで　はしゃぎまわっている リードをとられない様についていくので　ついついへっぴり腰になる そんな様子はどう見ても初心者　遠くから観れば　かなり滑稽者 そのせいか皆さん寄ってきちゃあ　なんか話しかけていく